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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

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厳しいチェック

ある日のお茶の時間、マル子が差し入れしたケーキをみんなで食べていた。

「美味しいですね。」

「うん、そう言えば、昨日のケーキも美味しかったよねえ。オッホン、ごめんよカメ子、悔しいかもしれないけど、あいにく君は休みでいなかったからねえ。」

「あ、実はわたし、それ知ってますよ。さっき検査室のゴミ箱から出して、中身をゴミ袋に片付けてた時、ケーキの袋を見つけたんです。
『ははぁ、これはきっと、昨日みんなで食べたんだわ!』って、思いましたもん。」

「うっ、・・・そうか、もうばれてたのか・・・」

「あ、私も、それ、家でしてます。ゴミ箱のチェックを!いない間に、誰か美味しいものを、食べていなかったかを。」

と、嬉しそうにネコ娘も口をはさんだ。

(むむむ、こいつらは、そういう点では抜かりがないなあ。
 ゴミ袋を調べるのは、国税庁だけではなかったのか・・・。)
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ムカデ

「ちょっと、先生聞いてよ、またムカデが出たとですよ!」

梅雨の集中豪雨の合間、ラブラドールのフレンディちゃん(仮名)のお母さんが来られた時、そう言われました。

「えっ! マダム、ムカデがまた出ましたか?」

マダムの家はちょっと山手にあります。何度か往診でお訪ねしたのですが、窓を開けると目の前に雑草が繁った崖が迫っていました。

「そうなんですよ、布団を入れてる時、肘にぽとんと落ちてきてね。もう、こんなに大きいの。(マダムは25cmぐらいの長さを指で伸ばして示す。)もう私はびっくりして『ヒーッ!』って振り払ったんですけどね。

ところが、パッと振り飛ばした先がまた布団でね。そこに干してたんだけど、よく見ると他に2匹も付いていたのですよ。もう、やわいきませんよ。

それからね、この前も窓を開けて顔を出した途端に首筋にポトンと落ちてきたもんね。『ギャー!!』ってもうあわてて、殺虫剤を1kgも買ってきて、窓にたっぷり撒いたんですよ。」

ムカデといえば、うーん、私の子供時代は、室内によく出てきていた。まるで人工物のように黒々と光る不気味な背中、黄色くて整然と動くたくさんの足。いかにも毒々しくて、とても素手では立ち向かえない威厳。

短い足で、動きは遅そうに見えるのだが、突然の出現に驚いて何か叩くものを探してまごまごしていると、案外逃げ足が速くて退治しそこなうこともあった。

しかし、蚊やハエは叩き損なっても、あるいはよしんばゴキブリは叩きそこなうことがあっても、家屋に侵入してくる生物の中で、ムカデだけはきっちり退治しておきたい虫だった。間違っても押入れの中などに、逃げ込ませてはいけない。

しかし、そんなわけで子供の頃は、時々ムカデが出現するのは、それは当たり前で、仕方ない事と思っていた。

ところがいつの間にか時代と共に環境も改善されたのか、ムカデを室内で見かけることは減ってきた。
それからいつしかムカデの事ことを忘れ、最近は山のキャンプ場で遭遇するくらいであったが・・・。

「それでね、2階の兄ちゃんや3階の兄ちゃんに、『あんたんとこもムカデは出るね?』って聞いたら、

『うん、この前寝とってふと目が覚めたら、首にムカデが這いよったよ。おばちゃん、僕はもう、この部屋に帰りたくないよ。』って。ハハハ・・・もう大変ですよ。」

マダムは笑いながら帰って行かれました。

(いやあ、ムカデは勘弁してほしいなあ・・・。)

私はマダムを見送りながらそう思いつつ、
ムカデの出る家で平気で暮らしていたかつての子供時代の強靭さがいつのまにか衰え、すっかり軟弱でひ弱になっている自分を再発見したのです。
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まだ、眩しい

たくさんの方が、22日の日食を見られたと思います。皆さんはどうだったでしょうか?

福岡市ではあいにくの曇り空でしたが、幸いにもちょうどその時間帯に雲の切れ間ができました。

「おっ、日が出てきた、出てきたよ!」

11時少し前だったでしょうか、仕事中のスタッフに声をかけて誘い、玄関に出ます。

「どんな風だろう?」

チラッと上を見上げて太陽を覗きますが、当然ながら眩しくてとても観察はできません。

「何か、使える物がないかなあ・・・?」

陽が出てきたので、泥縄式にあわてて辺りを見回し、
目に安全かどうかはわかりませんでしたが、私はレントゲンフィルムを持ち出すと三枚重ねて空を見上げました。

と、どうでしょう!
三日月状に輝く神秘的な太陽が、見事にくっきりと映し出されたのです。

「あー、すごい! 重なってる。太陽が隠れてる。」

蝉がぱたっと鳴き止んだのは偶然でしょうか?周りが静かになりました。
新聞によれば、動物たちに特別な異常行動は目立たなかったようですが、フクロウが鳴いたとか、スズムシが鳴いたとか、報道されていました。

しかし、今回私が一番驚いたのは、太陽が90%隠れても、思ったほど周囲は暗くならないということでした。

光線が9割も遮られたら、夕暮れ時のように闇が忍び寄るかと想像し、神秘的な光景に胸をワクワクさせて期待したのです。ところが少しも気がつかないくらい、肉眼では街の明るさに大差は無いのでした。

多分、瞳孔の調節機能が働いたからだとも思いますが・・・。

太陽の光量というのは、すごいですね。
三日月形になるまで、ほとんど月に覆い隠されても、福岡市民には一向にわからないくらいに十分な光線を届けてくれるとは。

ところで、この太陽のけた外れの日射光線を知ったとき、私は類推したのです。
このすごい太陽を創造した神にも、栄光が輝いているとしたら、どんなにその眩しさも、人の想像の範囲外であろうかと。

その輝きの万分の一も、きっとレントゲンフィルムを使っても見えないのでしょうね。
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屋根の上で

子供の頃の想い出は、誰でも人生の宝物です。

ふっと思い出す私の宝物の一つは、屋根で寝そべって広い青空をじっと見上げていたことです。

その頃は北九州市に住み、皿倉山の麓、八幡製鉄所や洞海湾が見下ろせる高台に家があったので、眺めだけは最高でした。
けれども、そこからさらに一人こっそり屋根に上り、大の字になって寝転ぶと、孤独で悠然とした気持ちになり、深い高い青空に抱かれるような気分でした。

あの頃、何を考えていたのでしょうか?
いつまでも、寝そべって
ただ、空の青さを楽しんでいたように思います。

「また、屋根に上ったのか?瓦が割れて雨漏りがするから上るな!!」

父が私に、そうやんわり注意していましたが、またすぐ上ってしまうのでした。

鳩が飛び、カラスも飛び交い、
そして、眼下には無数にある工場の煙突からたなびく煙・・・。
そして、一度、弟を引き連れて上がった想い出。

自分では忘れていても、もし今の自分にまだ少し困難に立ち向かう、頑張る力が残っているとしたら、

それはそんな想い出の切れ端がいくつもあって、支えになってくれているのかも知れません。
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アヒルさん

ある時、可愛いアヒルさんが来ました。

「左足が悪いので、見てください。」
マドモアゼルが抱いて診察台に載せます。

白い体に黄色の丸い嘴がなんとも愛らしい子です。
さて、様子を見ましたが、診察室であまり歩こうとしません。なんとか観察した範囲では、むしろ右足の方が悪いようにも見えました。

「・・・マダム、右の方が、悪くないでしょうか? 私はアヒルのレントゲンは一度もとったことがないので、判断に自信がありませんが、もしかしたら何か手がかりが得られるかもしれません。
それでも構わなければ、レントゲンを撮ってみますか?」

このようなことを言われては、飼い主さんも困るだろうが、知らないものは知らないので、選択して頂くしかなかった。

実際、犬猫以外の動物は診ないという先生もたくさんいらっしゃると思いますが、それも正しいでしょう。

ただ、誰も診ないとすると、飼い主さんにはそれで良いのかどうか、助かるか困るかは、場合によるでしょう。

それで、無責任かも知れませんが、お役に立てる範囲で・・・という断りで、いつも診せて戴いています。

それでも、動物病院に期待されるレベルが高まれば、今後は鳥や爬虫類等は迂闊に診察が出来なくなるかもしれませんね。
もしかしたら、アヒルが病気になっても、福岡市で診て貰える所が一軒あるかどうか・・・になるかも知れません。

それを決めるのも、「時代の流れ」ですね。
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日食の周辺から

「日食を観察する場合は、ススをつけたガラスなどで見ることは危険です。絶対にやめてください。」

22日は日本各地で部分日食が見られるそうですが、観察方法についてそう警告されているようです。

天文台の友人からも、そう親切に注意をいただきました。
本当にありがたいことです。

ところで、それを聞いて多くの方は当然の如く受け入れていると思うのですが、天邪鬼なわたしは「ちょっと待てよ!?」と、思いました。

なるほど、大切な情報ですが、もとはと言えばガラスにススをつけて太陽を観察する方法は、昔々、文部省の指導の下で使われた理科の教科書に書かれていたやり方ではなかったでしょうか?

「ガラスにススをつけて、観察しよう。」

と、挿絵入りでそう教えられていたように思うのですが。
第一、ガラスにススをつける・・・なんて、わざわざ教えられない限りあまり思いつかない方法ではないでしょうか。

そんなことを思い巡らしながら、世の中の正しい情報、この世の正しい教えは、悪意はなくても、いつの間にか、シラッと変わっていくのだ・・・と、気がついたのです。

ジョギングが体に良いとか、いや、心臓に悪いとか、
コーヒーが健康に良いとか、悪いとか
統計の発表があるたびに、色々意見がでますし・・・。

獣医師も、犬のフードや薬の効力について、新しい発表があるたびに、あわてたり、びっくりしたりです。

ところで、本当に日食観察用のグラスなら、今回は間違いなく安全なのですよね!?
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今だから言うけど

「先生、スズメの雛を拾ったので、相談にのって欲しいと中学生の男の子が来ていますよ。」

カメ子が言ってくる。

「スズメ? どのくらいの日齢だろう。」

「えーと、結構大きくて、これくらい!」

カメ子が手の平で包むような仕草をするが、そんなのじゃ、大きさはちっともわからない。

「もうすぐお母さんが来るから、それまで待たせてくださいって。」

「はい、了解。 でも、今は育雛用の挿し餌がないねえ。やっぱり、買っておかないといけないね。」

「サティなら7時まで、ペットショップが開いてますよ。」

と、カメ子。

「それと、ダイクスにもあるよ、結構種類が多いかな?ダイクスも同じ7時までなんだけど。」

さすが、人呼んで『ホームセンターのさすらい人』。マル子が詳しく教えてくれる。

と、カメ子が

「ヘヘヘ・・・私、だいぶ昔のことですけど、マル子さんから『ダイクスは8時まで開いてるよ』と言われてですね、7時過ぎに出かけて行った事があるんですよ。

だけど自転車に乗って行って着いたら、もうダイクスは真っ暗になっていて
『・・・マル子の嘘つき!』
ってつぶやきましたよ、フフフ・・・」

「えー、そうなんだ。ごめんね、そんなことあったのかな。」

マル子が申し訳なさそうに首をかしげる。

と、そんな他愛も無い話をしているうちに、患者さんが到着したので、カメ子がまた走っていく。

「先生、先ほどのスズメの患者さんです。男の子はどうやら中学生じゃなくて高校生みたいです。
それと、お母さんじゃなくて、お父さんがおいでになりました。」

診察室には、とっても可愛い茶色の小さな羽毛に包まれた、巣立ち直前の雛が、タオルに包まれて入って来たのでした。

(スズメの赤ちゃんもこんなに可愛いんだな!)

小さな目をぱちくりさせた雛鳥を見ながら、改めて感じたのです。
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社会で生きる事

「おい、元気しとるか?」

「おお、久し振り、うん、なんとかね。」

珍しく同期の一人の友人から電話がありました。彼は現在ある大学で、獣医学科の教授をしています。
学生時代は遊んで悪い事ばかりしていた奴だと思うのですが、もともと優秀だからでしょう、悔しいけれど今や偉い先生です。

「いやね、実はちょっと聞きたい事があるんだけどね・・・」

教授室からの電話に何事かと思ったのですが、話を聞くとどうやら今年のある卒業生のことでした。
動物病院に就職したけれど、その職場が合わなくて辞めたい・・・と言う相談を受けたらしいのです。

それで、
「どうなんだろう?最近の動物病院の仕事状況とかは・・・」
という電話でした。

私は自分の感じていることを電話で話しました。そして伝えながら、一人の卒業生の悩みの為に骨を折っているこの友人のことを、嬉しく思いました。

学問の府における忙しい仕事の合間に、すでに卒業してしまった一人の若者を気にかけている。と、そんなことを思っていたときに、今更のようにふと、気づいたのです。

人は自分の仕事だけきちんとできたら一人前かと私は思っていましたが、どうやらそれは間違いだったかも知れません。

自分の仕事をちゃんと片付けるのは、それは当たり前ですが、その合間に、誰それかのために駆け回って骨を折ったり頭を下げたりできて、その時はじめて一人前になっているというのが、正しいのかも知れません。

こんなこと、気づくのがだいぶ遅すぎましたかね?
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健忘症?

「この子、誕生日はいつですか?もう一歳になったんですか?」

「はい、なりました。えーと、去年の・・・八月だったかしら、いや、四月だったかな?あれ、あれ?」

美しいマダムGとお嬢様が、トイプードルのみっちゃん(仮名)を初めて連れて来られたときです。
狂犬病のワクチンと登録を依頼され、私は申請書のために誕生日をお尋ねしました。

みっちゃんは、体重が2.5kgしかない小さな可愛いトイプードルで、私は最初まだ子犬かと間違えたほどでした。

「ねえ生まれたの、何月だったかね?」

「うーん、四月くらいだったんじゃない?どうだろう・・・」

お二人で思い出そうとしても、はっきりしないようです。

「じゃあ、帰宅されてから、もし血統書が見つかって誕生日がわかったら、教えてください。お電話でかまいません。ではとりあえず、去年の生まれということですね。」

「はい、去年です。」

・・・・・ということで、その時は終わったのですが、それから暫らくして電話があったようです。ネコ娘が言いました。

「先生、マダムから電話をいただきましたよ。どうやら誕生日は、一昨年の八月だったらしいです。」

「おや、おや、去年じゃなかったんだね。じゃあ、もうすぐ二歳じゃないか。ふーん・・・」

人の記憶って、あてにならないですね。去年の出来事でもすぐあいまい、不鮮明になってしまいます。いえ、みっちゃんの事を言いたいのではありません。自分自身でもつくづく思うからです。

何年たったか、わからなくなることって、ありますよね。
とくに親戚の子供が入学しただとかいう記憶になると、本当にあいまいになってしまいます。

「あれ、去年合格したばかりかと思ってたのに、もう卒業なの!?」って。

とにかく、どこかで記憶違いの方にお会いするたびに、安心してしまう最近の私です。
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スケート場で軟派


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