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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

大晦日のご挨拶

2009年も今日で最後になりました。
皆様には聖ノア通信を辛抱強くおつき合いいただき、誠にありがとうございました。

当院は開始が1989年でしたから、振り返ればこの地で20年間、小さな働きを続ける事が出来たことになります。
多くの患者様から嬉しい言葉を頂いたり、励ましや助言、そして忍耐やお叱りの言葉のおかげで、ここまで来る事が出来ました。
本当に感謝申し上げます。

まだまだ足りない所だらけの者達で、赤面、冷や汗も多々ありましたが、来年も努力させていただきたいと思います。
どうぞ宜しくお願いいたします。

皆様、どうぞ良いお年をお迎え下さい。
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アレルギー性角膜潰瘍

「あっ!忘れてた! 目薬を入れなくちゃ。 ヘヘヘ・・・、私ですね、数日前から右眼が痛くて、それで昨日眼科に行ったんですよ。そしたら角膜潰瘍だって言われたんです。」

患者さんから依頼された薬の調合をしている時、カメ子が急にそんなことを言い出した。そう言えば、彼女の右眼はすこし閉じかげんだ。

「えっ!角膜潰瘍? そりゃ、大変だよ。十分な治療をしないと。後でひどい事にならないとも限らないからねえ。
でも、なんで潰瘍なんかできたのかな? 何かで傷ついたのかなあ?」

カメ子がのんきな顔をしてしているので、私は心配になった。

「いえ、私の場合、潰瘍が角膜の内眼角側に縦にできてるんですけど、先生はこういう時はアレルギー性のことが多いと言うんです。何のアレルギーかはわかりませんが・・・」

「ふーん、アレルギー性か、人ではそういう潰瘍があるのかなあ・・・。」

「それで、しばらくコンタクトをやめて、目薬を2種類、3時間おきに入れないといけないんです。だけど、すぐ忘れちゃうんです。」

「じゃあ、みんなに頼んどくといいよ。次の点眼は何時だって。そうしたら誰かが気がついて教えてくれるよ。」

「そうですかねえ。それじゃあ今6時ですけど、二種類目のを、30分後に点眼するんですが・・・」

「そうか、了解! きっと忘れないよ。」

・・・・・・・・・・・・

(しかし、7時半ごろ)

「あっ! また忘れてた。やっぱり忘れちゃうわ。」

「うっ、そうだね。ぼくも思い出せなかった・・・。」

やっぱり、忘れる可能性があることは、大概忘れてしまうのだ。

カメ子は慌ててポケットから目薬を取り出した。
そして点眼しながら口を開け、変な声で叫んだ。

「あっ、間違えた! 左目に入れてしまった!」
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クリスマスイブの気がかり

「あ、どうも、今年もお世話になりました。」

クリスマスイブを控えた朝、薬品会社の青年ムッシュMがおいでになりました。月末で今日は集金の日です。
ところが、入ってくるなり彼は浮かない顔で話し始めました。

「昨日、うちの家内、なぜか機嫌がわるかったんですよね。でも、僕にはなんでかわからないんですよ。

僕は趣味でバレーボールをやってるので、昨日はいつもの通りそれに行っただけで、何も心当たりはないんだけどなあ・・・?」

そう言いながら、ムッシュは頭をひねっている。

「ハハハ・・・、奥さんがむくれてるって。どこも大変だね。
・・・昨日は休みだったでしょ、もしかしたらどこかに連れて行って欲しかったんじゃないの?」

「家内は昨日は子供を連れて出かけてるし、そんなことはないと思うのですけど・・・」

「クリスマス前くらいバレーを休んで、どこか連れて行って欲しいという意思表示だったんじゃないの?クリスマスのプレゼントは用意しました?お子さんは幾つですか?」

「もうすぐ1歳です。プレゼントは、今日仕事が終わったら、キーボードを買って帰ろうと思ってるんです。予算オーバーでちょっと懐が痛むけど、キーボードなら二人で遊べるだろうと思いますし・・・。」

「そうですか・・・、ムッシュ、そんなにあんまり考え込まないで・・・

うーん、じゃあ一つどうです、ビシバシと奥さんにビンタを張って、『おまえ、どうしてそんなにふくれっ面をしてるんだ!』と、叱りつけたらどうですか?」

「えー! いえ、・・・そんなことしたら今日は夕食を食べさせてもらえなくなります。
そして、きっと、『家から出て行け』って追い出されてしまいますよ・・・。」

そう言って、ムッシュは笑っていたが、もしかしたら本当にそうなっちゃうのかもしれないな。

ふー、・・・それなら、あまり逆らわない方が、身のためですね。

まあ、今日はイブですから、家庭で仲良くやってください。

そしてそれでも話しがこじれて家を追い出されたら、
ムッシュ、近くの教会でやってるキャンドルサービスに逃げ込んだらどうでしょう・・・?

清しこの夜を歌って・・・、
今後も何かとお世話になれる所かもですよ・・・
雨の日も嵐の日も・・・ね。
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クリスマスのつぶやき

「私、決めてるんです。」

「ん?」

「ヘヘ・・私、決めてるんです。お金を持ってる人と結婚するって。」

寒さも厳しくなってきた十二月の中旬、突然猫娘がそんなことを言い出した。

「ほー、お金を持ってる人がいいのか!?」

「はい、世間的には『お金じゃないよ、幸せは。』とか言うけど、でもお金がないと色々ケンカとかあるじゃないですか。それが原因でいざこざが・・・。

お金があるからと言って幸せにはなれないけど、でもあったほうが幸せになれそうです。」

「ふーん、お金がやっぱりいるか!」

「はい、でも、私にはお金が無い人しか来ないんです。」

「ほー、お金が無い人ばかりが来るわけ?」

「そうですね・・・。」

どこまで冗談か判らないが、猫娘はそうぼやいている。

「ふーん、それじゃあ、いくらぐらいあったら、お金があると言えるの?」

「?・・・月に20万円あれば、全然いいです。子供が出来ても、自分も働けば生きて行けるし・・・」

と、その日の会話は、それで終わりました。

さて今時の就職難、若い人が手取りで20万円を安定して稼ぐのも容易でないかもしれませんね。

もうすぐクリスマス、
いつの日かサンタさんが、尊い犠牲者をどこからか連れて来て、彼女にプレゼントしてくれるでしょうか??・・・・
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鉄兵からのご挨拶

病院猫の鉄兵です。
皆様には、長い間可愛がって頂き、誠にありがとうございました。

2009年12月16日、本日を持ちまして、おいらは病院に別れを告げ、天国へ移りましたのでここにご報告申し上げます。
皆様、在院中は、まことにお世話になりました。

そもそもおいらが当院に来ためぐり合わせは、聞くところに寄れば誰かが生まれて間もない頃に、病院の玄関に捨てたのがきっかけだったそうです。

たしか兄弟たちはその後みんな貰われて行ったのですが、おいらだけなぜか残ってしまった次第でして。

「仕方ねえか・・・」

院長がそうぼやいて、ちょっぴりおいらの心は傷つきました。

その後、あてがわれた部屋はすこぶる狭かったのですが、食うには困らず天敵もおらず、医療費はただということで、まあまあの生活だったかなと思います。
とにかく18歳まで長生きできたのは、ストレスが少なかったからだと思います。

看護士達にも随分可愛がってもらいました。
いえ、ただの一度も家に招いて貰った事はありませんでしたが、弁当の残り物をおすそ分けしてくれたり、おやつを買って来てくれたりしました。

院長の家にはデボンレックスの夢太君が生きていた頃、一、二度お邪魔しましたが、どうも窮屈ですぐ逃げ帰ってきました。

今度は天国で、また夢太と遊べるでしょう。あいつも友達が少ない猫でしたから、おいらが来たと分かるときっと喜んでくれるでしょう。

居候だから、あんまりわがままを言っては申し訳ないと思い、献血にも、実習生の注射の練習にも積極的に協力しました。

そのせいか、「こんなにおとなしい猫は珍しい!」と、よく褒めてもらいました。

院長も、「おまえのようにいい猫は、なかなかいないぞ」と、よく頭を撫でてくれました。

高齢になってこの秋、皮膚癌がわかり、胸も病んで具合が悪くなった頃、おいらは院長に、

「おいらも、洗礼を受けたいんだが・・。」

と頼んだのですが、院長は

「うん、いい考えだ。だけど、どうかなあ・・・、猫が洗礼か・・・友達の牧師に頼んでみてもいいけど、多分首をかしげて断られるんじゃないかなあ。」

と、腕を組んで考え込んだのです。

まだ教会では、猫の洗礼は、前例がないそうです。

「お前、何か悪い事したか?」

「ああ・・・、爪で玄関の壁紙引っ掻いて、石膏ボードをぼろぼろにした。それから、スタッフの弁当をくんくん匂いを嗅いで、端っこをぺろぺろ舐めた。

あと・・・せっかく洗ってたたんでいたバスタオルを、かき回して、毛だらけにした。

時々、玄関の花壇に入って、植えたばかりのパンジーを蹴散らした。
それから、食器にいつもウンチした。」

「そうか、けっこういろいろやってるなあ。だけど、お前、水嫌いだろ? 洗礼は水かけられたり、水に浸けられたりするんだぞ、どうだ、洗礼の代わりに、僕がお祈りをしてあげよう、それで我慢しろ。」

「院長のお祈りじゃあ、ちょっと心もとないなあ。・・・大丈夫かい?」

「ああ。まかせとけって。

 『神様、鉄兵が長生きできてありがとうございます。
 十月から、やばい病気にかかっていますが、本人も最近は気弱になりいろいろ反省しております。

どうぞ、イエス様の赦しと、永遠の命が猫にもありますように。
              アーメン』

どうだ、これでいいか?」

「ふん、これで良いかどうかは、おいらに聞かれてもどうしようもないんだけど・・・。まあ、ありがとうよ、一応礼を言っとくよ。」

とまあ、そんな会話をしたのが院長との最後で、その未明においらは天国に引っ越したわけです。

どうも、いなくなる者が長々としゃべっちまったようだ・・・

それじゃあ、本当にこれで、

   ありがとうよ!   あばよー!・・・・
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深刻な話

十二月に入ったある夜のこと、仕事が片付いてようやく家に帰ると、家内が言う。

「私、今日あなたの所に行って、一言文句を言ってやろうと思ってたんだけど、我慢してたの。でも、我慢して行かなくて良かったぁ・・・」

ちなみに自宅と動物病院は隣接している。

「えっ! また何か、まずいことあったかなあ?」

どきりとして、私は家内の顔色を恐る恐る窺う。

「へへ・・・、そうじゃないのよ。
私ね、前から車の調子が悪かったから午前中に修理に持って行ったのよ。それで置いてきて歩いて帰ったの。そしたら25分くらいかかったのよ、歩いたら。

それから掃除したり昼寝したりして、夕方取りに行く時間が近づいたので、さて出かけようと思って何気なく窓から駐車場を見たら、『あれ、車がない!』と思ったのよ。

『もう、往診に使うときは、前もって言ってねと頼んでいるのに、また黙って乗って行って・・・』

って・・・、私思って、しばらく車が帰ってくるの待ってたの。
だけどなかなか戻らないから、

『もう、いったいどこまで出かけてるの?』って、聞きに行こうかと思った時、
ハッと、思い出したの。

『そうだ! 車は今日自分で持って行ったんだ、だから今から車を取りに行くんじゃないの』って。

私、その時打ちのめされて、我ながら自分が情けないのを通り過ごして、怖くなって・・・、きっともうすぐ呆けちゃうから、

きっと、きっと、早く呆けるわって、思ったわ。
どうしようかしら・・・。」

確かに重症です。
早めに病院で診察を受けた方がいいだろうが、

奥様、あなたがハッと気がつかないまま、
普段私が悪者にされている事が多いかもしれない事も、
この際、併せてお考え下さい。
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するりとかわされた

クリスマスを控えた、ある冬の日の午前中でした。

いつも優雅でおっとりされているマダムBがキャットフードを買いに来られました。

すぐにカメ子が対応し、フードをカウンターに用意します。

「お待たせしました。こちらですね、・・・・」

「ありがとう、今日は、子供が車を出してくれたものですからね、ここまで出てくる事ができたんですよ、オホホホホ・・・。」

車で待っていた息子さんが降りてこられ、カウンターの上に置かれたフードを受け取り、先に車に積み込みに出て行った時、
マダムは微笑みながらそう言われました。

「立派な息子さんですね、素敵ですし、心配入りませんね、マダム。」

「ホホホ、でも、まだ結婚していないんですよ、どこか良い人いないかしら? カメ子さんみたいな女性(ひと)が来てくれるといいんですけどね、ホホホホ・・・」

「私なんかで良かったら、もう、すぐ行きますよ!」

「そうですよ、カメ子で良ければ、喜んで差し上げますよ、持って行って下さい。」


直ちに二人で、そう答えたのですが、

マダムはうつむいてお釣りを財布に入れると、何も答えてくださらないまま静かに自動ドアから出て行かれたのでした。
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十二月八日

「うーん、十二月八日か、今日は何の日だ?」

朝、薬のコーナーで患者さんの薬を包みながら、私は傍にいた猫娘に問いかける。

「今日・・・ですか??」

はてな?という顔をして、猫娘が目をくるりとさせるが、やっぱり覚えているはずが無さそうだ。

「今日はね、真珠湾攻撃があった日だ、」

「真珠湾?」

「そう、むかし日本がアメリカと戦争を始めた日だ。ハワイの真珠湾だ。」

「シンジュって、あの真珠ですか?」

「そう、あの真珠」

「へー、それは学校で習いますか?」

「そりゃあ、習うだろう。現代史で一番大事な部分の一つだろうから。」

「ゲンタシン?」

「ゲンタシンじゃない。現代史!。」

「へー・・・」

猫娘は口をすぼめて「へー」と言うと、また薬を包み始めた。

うーん、やっぱり、ぴんと来ないようだ。
まあ64年も前に終わった戦争を、いつまでも昨日の事のように語り継ぐのは、無理な話だろう。

無理かもしれないが、でも、少なくともあの戦争を昨日の事のように語り継いでいる人が多い間は、

きっと日本では次の戦争は、始まらないでくれるだろう。
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2009ホノルル研修(その3)

動物園実習の報告の最後に、今年は象舎でのことをお話しさせていただきます。

「火曜日に象の体重を量るから、来ないか?」とベンに言われ、約束の朝7時半に出かけました。

いや、正確に言うと、私は朝寝坊してあわてて飛び起き、駆け出して約束の東門に着いたのはもう8時半でした。

(あちゃー、ひどい遅刻だ。こりゃ、もう待っているわけ無いよなあ・・・)

案の定、高い東門はがっちり鍵が閉まり、シーンとしています。

(あー、大失敗だ! やっぱ、遅刻の癖がこんなところで露呈しちゃうんだなあ・・・)

私は門の金網にとりついて、遅すぎた反省をしていたところ、ガサガサと音がするのに気がつきました。

(あれ、誰かいるのかな?)

首を伸ばして園の中を覗き込むと、右の方から熊手箒をもった清掃管理の女性が、道を掃きながら近づいてきます。

(あ、彼女に頼んでみよう!)

「ヘイ、ヘイ、イクスキューズミー。アイハブア アポイントメント、ウイズドクターベン、ディスモーニング、バット、アイワズ、ツーレイト・・・」

自分でもわけのわからない英語で、必死に彼女に呼びかけると、最初は胡散臭そうに私を見ていましたが、すぐ通りかかった警備のおじさんに伝えてくれました。

警備員は、彼女の話を聞いたり私の顔を見たりしていましたが、とりあえず腰の無線機で病院スタッフと連絡をとってくれ、それでようやく話しが通じたようで、すぐに一人の看護士スタッフが迎えに来てくれました。

「アイムソーリー、アイワズツーレイト・・・」

「イッツオーケー」

彼女の運転する電動カーで、すぐ象舎に向かいます。

「ちょうど、いい時間よ、心配ないわよ。これから体重測定が始まるから。」

(そうか、時間がずれ込んだんだな、助かった・・・)

私はちょっとホッとして、車を降ります。

象舎の裏手には、もう十数人集まっています。太い鉄柵の2mほど外側に黄色いラインが引かれ、これ以上近づかないよう警告が書かれています。

鉄柵の向こうにちょっとした空間があり、その向こうにさらに太い鉄柵があり、象はその中にいました。
中では象担当のキーパーが二人、鍵爪のついた棒をもって象をあやしています。

まもなくトラックの車体重量を測定する薄く長い鉄の量りが二本持ち込まれ、クレーンで吊り下ろされました。その二本を象の足幅にセットすると、奥の鉄柵が外され、慎重に象が連れて来られます。

二人のキーパーがゆっくり量りの上に象の四本の足を乗せさせ、量ります。4.5トンと言ったようでした。

そのようにしてゆっくり時間をかけて2頭とも体重を量った後です。
象を奥の鉄柵に戻すと、「ちょっと来いよ!」と、呼ばれました。

「はい?・・・」

「象と一緒に写真をとってやろう、象の横に立ちなよ。」

ベンが私のカメラをもつと、そっちへ行けと指差します。

象の体はとりあえず柵の向こうですが、象の顔は、私の横です。
いえ、私の頭上右上であり、長い鼻を私にむけてしきりに体を臭っています。

もう一頭は、少し後ろからやはり鼻先だけ伸ばして、わたしの足首付近を丹念に臭っています。

それまで象の横に立つくらい、なんでもないように思っていましたが、この時はひどく緊張してしまいました。

象が鼻先を私に絡ませようとするたびに、キーパーが優しくその鼻を引き戻すのですが、万が一象の気が変わったら、次の瞬間に何が起こるかはわからないぞ・・・と思うと、安全だとは信じながら、緊張を隠せませんでした。

ニコニコ笑いながら、体はガチガチになっている写真がパチリ。
実になさけない小心者でした。

ところで、巨大な象からフーフーと鼻息を鳴らしながら匂いをかがれるのは、大変な冷や汗ものでしたが、
さて何か悪い事をして帰ったときに、自宅でくんくんと女房から体中の匂いを嗅がれるあの恐ろしさと比べたら、どちらが怖いかなあ・・・。

あ、いえ、これは単なる一般論でして、決して私の個人的なことではありません。私は決して、後ろめたい事はありませんので、念のため。

ただね、最近結婚された方は、いつかこんな、ゾクゾクする感覚がわかるようになる?かもしれませんよ・・・と、申し上げているだけなのです。
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2009ホノルル研修(その2)

小型爬虫類の展示室はどこも大抵そうだと思いますが、ホノルル動物園でも照明を落とした暗い室内になっています。
美しくライトアップされたガラス槽の中は、さらに緑の草や枯れ木が配置され、森の奥深くに潜むトカゲやヘビの生活環境を演出しています。

どことなく神秘的で、爬虫類のマニア達はきっとこのもの静かな神秘性が好きなのではないか・・・と思うのですが。

ところで、ひとたび展示室の裏手に回ると、そこは明るい太陽光線が十分に行き渡った、活動的な作業スペースになっています。そして3人ほどのキーパーやボランティアが動き回っていました。
入ってすぐ右手のテーブルには、野菜や果物などの細切りフードが用意され、沢山の飼料フードが並べられています。

細い作業通路には、小型爬虫類の飼育ケースもずらりと並べられ、展示室に出されている動物以外に、裏側ではまだこんなに沢山の動物たちが、飼育係の手で世話を受けているのかと改めて教えられます。

その脇でリンリンと賑やかに鳴いているのは、餌に使われるコオロギでした。ホノルルは暖かいので、昆虫の繁殖は容易と見受けました。

私は何度かここで、日本のオオサンショウウオについて、彼らから質問を受けました。
「九州にも野生のオオサンショウウオはいるか?動物園にはいるか?」という、簡単な質問です。

「ええ、福岡の隣、熊本とか大分などの山奥にいると思いますが・・・」としか、答えられませんでした。

しかし、帰国して改めて調べると、日本のオオサンショウウオは、大きな物では1m40cmにもなるような世界最大の両生類で、アメリカオオサンショウウオの2倍も大きいのだそうです。

そして九州にも、中国にも四国にも、日本では岐阜県以南にわずかに生き延びている事を知りました。

大抵日本の野生動物は、外国の同種の小型版であることが多いのですが、オオサンショウウオに限って言えばはるかに巨大であるとは、ちょっと痛快です。

このオオサンショウウオが、外国の動物園や水族館の関係者には非常に興味深い生物であることに、わたしは今さらながら気がつき、中国のパンダや、オーストラリアのコアラ、あるいは佐渡のトキのように、もっと注目してオオサンショウウオを保護していく事の大切さを教えられたのでした。

ところで、作業場の奥で、一人の男性飼育係が銀色に光る小さなスプーンを1本持って、ニコニコ笑っています。

「これは、魔法のスプーンですよ」

彼はそう言うと、傍の飼育箱からハコガメを持ち上げ、すっかり首を引っ込めたそのカメの脇にスプーンの柄を差し入れて、前足をグイグイと持ち上げるようにして掴み、その足をそのまま引き出すようにすると奥に引いていたカメの首が一緒に引き出されました。

「今、カビで肺炎にかかっているから、薬を飲ませるんだよ。」

病院のアシスタントが、注射器に用意した薬を、そのカメに数滴飲ませていました。

それにしても、彼らは何をするにも楽しそうに作業しています。いつも真面目な硬い顔しかできない私には、それだけでも教えられる事の多い勉強です。
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