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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

病気の時に食べたくなる物

ある学者が言ってました。

人は病気の時にどんなものを食べたくなるかで、その人の生い立ちがわかると。

(ふーん、なるほどねえ・・・)

それで、ある日マル子に聞いてみました。

「マル子は病気になったら、布団の中できつい時に、買ってきて欲しいもの、これなら食べれそうっていうものはある?」

「わたしは、バナナとオロナミンCです。オロナミンCを飲むと、よく眠れるんです。それと、擂りリンゴ。

でも、わたしはお腹は丈夫な方なんです。
小学校4年の頃、友達の家でパーティがあって、パフェをたくさん作ってくれたことがあったんです。

その時何が当たったのか、参加した友達はみんなお腹をこわしたんですが、わたし一人は大丈夫だったんです。

へへ・・わたし、生まれてからまだ一度もお腹をこわした事ないんです。」

で、それを聞いてたタマエが、横から口をはさんだ。

「あ、わたしも、吐いたことないんです。わたし、病気の時でも、食欲あるんです。

わたしが吐いたのは、あわてて食べ過ぎて、喉に詰めて苦しくて吐いた時だけです。」

・・・・・・・

なるほど、たしかに学者の先生がおっしゃるとおり、その人の生い立ちがわかるみたいだなあ・・・。
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夜の侵入者

「最近、虫が多くなったね。」

お茶の時間です。気温が上がったせいか、この頃蚊も増えてきました。院内にも、時々侵入してきます。

「あ、そう言えばですね、昨日のことなんですが・・・」

マル子が話し始めました。

「昨日の夜に、眠くなったなあ、もう寝ようかなあと思って寝たのが十一時なんですよ。

ベッドに入って電気を消した瞬間、パチッと音がした気がしたんです。

(あれ? 何の音だろう・・・)

常夜灯がついていたんで、わたしは寝たまま部屋の中を見回していたんです。
そしたら、部屋の片隅の壁に虫が止まっていたんです。

(あー、・・・あれはカメムシだわ、やけに大きいわ)

五角形の独特の甲羅を持った大きなカメムシが、白い壁に止まっていたんです。

(もう、眠いなあ・・・、このまま眠ろうかな・・・でも、ごそごそ、あのカメムシが夜中に動き回って、こっちに来るかもしれないしなあ・・・、どうしよう、・・・)

わたしは眠くて仕方がなかったので、そのまま布団をかぶりたかったんですが、でもやっぱり気になって起きたんです。

そして起き上がると下へ降り、つっかけを履いて納屋に行きました。戸を開けて、えーと、虫網、虫網と、どこだっけ・・・あ、これこれ・・・と、そこから虫網を取って来たんです。

(もう、なんで夜中にこんなことするはめになるの・・・)

ブツブツ言いながら部屋へ戻ると、まだカメムシはいたので、臭いを発散させないように気をつけながら虫網で取り、また外に持って行って、そっと逃がしました。ヘヘヘ・・・」

以上が、最近におけるマル子の、就寝直前の出来事でした。
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パン屋で冷や汗

「そうだ、今日はパンでも買って帰ろうかな・・・」

ある日のこと、そう思いついて、我らがマル子はふらりと近所のパン屋に寄りました。
個人経営の、小さな可愛いパン屋さんです。

チリンチリン

ドアを開けると涼やかな鐘の音がなります。
マル子は入り口でトレイとトングを取ると、「今日は何があるかな!?」と、パン棚の前に立ちました。

「えーと、まずヨモギパンと、へへ、これが一番なのよ、それからブルーベリーパンと、えーと、あとは定番のカレーパンと、ハム・マヨネーズも美味しそうだから・・・」

いくつかパンを選んだマル子は、今、まさにレジの方へ行こうとした時でした。

「ん!?」

なぜか突然、今日は財布を持ってくるのを忘れたような、ひらめきが浮かびました。

トレイを片手に持ったまま、右手に掛けたバッグの中を探ります。(マル子は左利きなのです)

ガサッ、ゴソッ・・・

やっぱりありません。いくら探しても財布は入っていません。

(しまった! やっぱり、忘れて来てる。)

パンを載せたトレイは、右手に持ったまま、マル子は狭い店内で、立ち往生し、目まぐるしく考えます。

レジの前ではなんだかご主人が、計算するのかな?どうするのかな?という予測を立てながら微妙なタイミングを見計らいつつ、それとなく待っているようです。

すでにパンは、取ってしまった。しかし、お金がない!

マル子危うし! マル子は追い詰められて、呼吸が荒くなりました。

(どうしよう、今更、パンを返したら、マナーにもとるし、かといって・・・)

どっとマル子の背中に、冷や汗が流れてきます。

この絶体絶命の危機の時、また、ふっと、マル子の頭に浮かびました。

(そうだ! 定期入れに、万が一の時のため、昔、千円札を入れていたわ! もしかしたら、あれがまだ、あるかもしれない!)

マル子は一縷の望みを繋ぎながら、震える指で定期入れを探し出すと、(お願い、入ってて!)と、祈りつつ中を探りました。

と、薄い紙が指に触ります。

(わっ、あったわ!)

胸をドキドキさせながら取り出すと、それは紛れもなく、古い千円札でした。長年押し潰されたままなので、本当に薄っぺらく折りたたまれていますが、三つ折を開くと、夏目漱石が笑っているようです。

「わー、助かった!」

曇っていたマル子の表情が、いっぺんに明るくなりました。

そのまま四歩進んで、レジに前に立ちます。

店の主人は、次々に変わるマル子の表情を見て、変に思ったでしょうか?

でも、いいんです。
マル子、その日、最大の危機を脱出でした。
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マル子、壁に当たる

「先生、先生は・・家の壁に頭をぶつけたことありますか?」

夕方の勤務を終えて帰り支度をしていたマル子が、急に変なことを聞く。

「え?」

「いえ、家の壁と言っても、室内じゃないんですよ。そとの壁、外壁です。

私ですね、昨日の休み、うちの子を、(高齢のコッカースパニエルです)をシャンプーしたんですが、終わって抱っこして運んでたんです。

プレハブで作ってるシャンプー室を出て、一段降りるんですが、外庭を数歩歩いてまた自宅に上がろうとしたんですが、目の前に洗濯物を干していたんです。いつもは、それをかき分けて、縁側に上がるんです。

昨日も、犬を抱いたまま、頭で洗濯物をかき分けるようにして縁側に上がろうとしたんですが、ガツーンって大きな衝撃が頭頂部を襲ったんです。

一瞬目がくらみそうでしたが、その衝撃は頭部を突き抜けて、首の付け根にまで達したのが、自分でわかったんです。

『イタタタタ・・・・・、』

目から火花と涙が出ても、声は出ないし、抱いている犬は落とせない。ただ、一人でタジタジとたたらを踏みながら下がって、うめいているだけです。

白い洗濯物は、何事もなかったように揺らめいているんですが、縁側はもう少し右側で、私は頭から外壁に突っ込んでいたんです。

てっきりそこから室内へ入れると思ってたんで、勢い良く突っ込んだんです。

先生、頭から外壁に突っ込んだら、痛いですよ!」

「ハハハ・・・、そりゃ、痛かっただろう。ハハハ・・・想像しただけでも、ぞっとするよ。ハハハ・・・。」

私はせっかくの日曜日、頚椎損傷をしそうになったマル子にいたく同情しました。

皆さん、もしマル子の家に行って、縁側の横の壁に赤い血痕がちょっぴり残ってたら、そここそマル子が突っ込んだ所だと、思い出してくださいね。
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通り抜ける自信

事務室で乳腺手術をした犬の病理検査報告を読んでいた時です。

カメ子が言いました。

「この前、帰宅中のことなんですが・・・、小学校の横に川が流れているでしょう。その川沿いに狭い道がありますよね、結構車も通ってるんですが、

その日は、一台の車が離合しきらなくて、動けなくなってたんですよ。対向車は道幅の広めの所を見つけて、そこで待ってくれているんですが、そこを通り抜ける自信がないんでしょうね。

じっと動かないんです。

通りかかった人が心配して、

『オーライ、オーライ、大丈夫だから前に進んで・・・』

と、声をかけてくれているんですが、その車は進みきらなくて、とうとう退がり始めたんです。

だけど、その頃には、すでにそれぞれの車の後ろには、二、三台詰まってて、バックできる状態じゃないんです。

それを見ていて、あんなに怖いなら、こんな狭い道は入らない方がいいのにと、思いましたよ。」

「うーん、そうだね、狭い道はね、離合がたいへんだからね・・・。」

私も時々、離合に自信がなくなるときがあります。

大きな工事車両がせり出している道、あるいは荷物の積み下ろしをしているトラックの脇をすり抜ける時、

(むむむ、あの幅を、通過できるかな?)

と、危ぶむ時が。

でも大抵は、ギリギリで通れるもんです。サイドミラーを収納したり出したりしながら、かつがつやりすごすことが。

やってみないとわかりません。
本当に通れない時もあるでしょう。

でも、そこでじっとしていても、解決しないのです。

これは動物の治療も似たようなことがあると、思います。

手術に耐えられるかどうか、危ぶんで、思いあぐねていると、時間とともに事態はもっと厄介になって行きます。

決心をつきかねて迷っている時間は、しかし病気にタイムがかかっているわけではありません。それは患者にとっては下流の滝に向かって流されている筏に乗ったような時間なのです。

どうするか、早めの決断も必要です。

そして、そのタイミングを見極めるのが、案外難しいのが、動物医療です。
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お母さんとシャンプー

「良かったねえ、レイ君、綺麗になるよ!」

マダムHがレイ君に語りかけます。ソフトバンクのお父さん犬に良く似た、白い中型犬のレイ君が、シャンプーにやってきました。

今年12歳、もう若くはありませんが、足取りはしっかりしています。

ちょうど換毛の時期で、抜けかけた毛で体中ぼそぼそになっています。シャンプーが嫌いなので、軽く鎮静をかけて、マダムにも付き添ってもらって、ブラッシングを始めました。

「フフフ・・・もらってきた時は、小さかったたけどねえ。」

「レイ君は、どこから、もらって来られたんですか?」

「西部の動物管理センターなの。」

「えー、それはラッキーだったねえ、レイ君、危機一髪だったわよ。」

「フフ・・・小さくて可愛かったから、この子を欲しいと思う人があの日たくさん居てね。くじ引きだったの。

順番は私が一番に引いたんだけど、ハズレでね、

『あー、やっぱり、くじ運悪かったわ!−』

って、とっても大声で叫んじゃった。

ところがね、子犬を引き当てたのは、小さなお子さんを三人連れた若いママさんだったんだけど、がっかりしてた私に譲ってくれたのよ。

私の感じでは、あの時その家のお父さんが犬を欲しがってたみたいだけど、ママはまだ小さい子供を三人もかかえているから、犬を飼う事に納得してなかったみたい。

だから譲ってくれたのかなと思うのよ。」

(ふーん、やっぱりどこでも家の実権は、奥さんが握っているのかな)
         ・・・院長、無言のうちに、思い巡らす

「それでね、この子は最初から水が嫌いでね。お風呂を怖がってたの。

息子が言ったのよ。『お母さん、この犬、狂犬病みたいに、水を怖がるよ。』って。

それ以来、家でシャンプーはずっとできないの。

でも、頭が良くて、お父さんの車のエンジン音やよく来る友達のエンジン音は、すぐ覚えたの。それ以外の車が入ると、吠えるのよ。」

お母さんに何をしゃべられてるのか知らないまま、レイ君はとろとろ眠っています。

三人で二時間近くブラッシングと毛抜きをして、シャンプーに移りました。

だんだんレイ君の体が、良い香りに包まれることでしょう。
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奥さんのノート

「先生、連休中から、やっと食べ出しました。」

「へえ、それは良かったですねえ!」

ムッシュSが雄猫のタラちゃんを連れて来られました。

タラちゃんは先月にちょうど二十歳になった超長寿猫です。腎不全の為、二年前から時々尿毒症になるので、点滴をしています。
今回も痩せ細って、いよいよだめかと心配しましたが、幸いにも治療を続けているうちに、また少し持ち直してくれました。

連休中も、点滴を続けておしっこがたくさん出て、それが良かったのでしょう。

「この猫は、女房の形見みたいなものです。」

「へえ、奥さんからの?」

ムッシュの奥様は、二年ほど前に亡くなられたそうです。

「家内もね、実は腎臓が悪くて、透析に通ってたんですよ。20年位かなあ、一日おきに病院へ行って5時間かかるんです。

透析するとその時はぐったり疲れるけど、翌日はすごく元気が回復するんで、家内はいつも喜んでました。

癌になって、その治療も始まりましたが、家内は家でも病院でも、よく書き物をしてました。書くのが好きなんです。

チラシの端でも、ティッシュの箱でも、メモして、あとで書き写すんです。

病院の看護婦さんがたに、「ありがとうございました」とか、よく書いていました。

私にもたくさんノートに書き置きしていて、全然寂しくありません。

朝は何時に起きなさい。衣替えはこうしなさい。朝ごはんは、チンゲン菜ならどう準備して、こしらえなさい。チキンの時は、こうしなさい。
お風呂はどうしなさい。
夜は何時ごろ寝るようにしなさい。

細かく色々書いてくれているから、ノートを見て、生活しているので、さびしくありません。
あとは好きな卓球にせっせと通ってますから。」

点滴中のタラちゃんを覗きこみながら、笑ってムッシュは答えました。

年齢は70だそうですが、いえいえ、髪は私よりも黒々として、お姿は十以上は若く見えます。
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応急処置

五月の連休を利用して、息子の住む別府に出かけた時のことです。

三日目の朝、ビジネスホテルの狭い駐車場から車を出そうとしてエンジンをかけ、ドアミラーを起動するスイッチを入れた途端、ビシッという音とともに左右両方のドアミラーが止まってしまいました。

(あれっ? なんで動かないんだ?)

スイッチを何度も入れたり切ったりしてみましたが、それからは一向にうんともすんとも言いません。

ミラーはまだほとんど閉じたまま、固まってしまいました。

(あれれ、弱ったなあ・・・)

とりあえず駐車場から車を出すことにし、三階からスロープをクルクル回りながら降りましたが、ドアミラーが使えないので車体側面と壁との距離感がつかめません。

(うわあ、予想以上に、運転しにくいぞ。)

危ないので、ゆっくりゆっくり下ります。ゲートをくぐって外に出てきたら、ちょうど激しい雨も打ちつけてきました。

(これは、最悪だなあ・・・)

窓をちょっと開けてドアミラーを揺すってみますが、頑固に閉じたきりです。こうなったら力づくでミラーを起こそうかという誘惑にもかられましたが、

(いや、まてまて、壊れたら余計に面倒だ)

と思いとどまります。

連休中だ、きっとお店も開いてないだろうなあ・・・と思いつつ、別府にある車の系列店に電話をして見ましたが、やっぱり休み、テープの音声が聞こえるだけです。

とにかくどこか修理してくれる所はないか、あたってみようと十号線に出てゆっくり走りながら、ガソリンスタンド、一般の車の販売店の修理工場、タイヤ販売店など立ち寄ってお願いしましたが、取扱いが出来ないとのことで、丁寧に断られました。

(困ったなあ、サイドミラーが使えないなら、あちこちウロウロするのも危ないし、もう福岡に帰ろうか)

けれど最後に息子に教えてもらった、一軒の中古車販売店を捜して、みてもらえるか尋ねたところ、しばらく中で待つように言ってくださり、15分くらいで応急対処をしてミラーを起こしてくれました。

「配線がどこかでショートしているから、もうミラーは動かしたら駄目ですね。ヒューズを入れ替えてもショートをしますよ。だから容量の規定以上のヒューズを使って起動しましたから、動かすと火が出てくるかもしれませんよ。スイッチには触らずとにかくこのまま乗って、福岡で修理するように。」

「うわあ、ミラー、使えるんですね。ありがとうございます。助かりました。」

感謝感激で、お礼を言い、それからもうしばらく別府、杵築を観光して、夕方、無事帰宅できたのです。

応急処置は、動物の場合でも、車の場合でも大切なことだと思わされました。

トラブルの時、教科書どおりの正論で対処しないと、あとあと面倒なことになる・・・そういう心配があると、応急処置に臨機応変を取り入れることを、ためらってしまいます。

しかし、時と場合による。
そんなことを改めて学んだ、連休でした。

もちろん、福岡ではすぐ修理店に持って行きました。
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