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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

子守猫

「私ね、結婚した娘に言ったのよ。子供が生まれたら大変だから、猫なんて飼わないほうが良いよって。」

マダムIが、ある日、そんな話しをしてくださいました。

「だけどね、彼女は動物好きだから、結局猫を飼っちゃったのよ。白い色のね。

そしたら三年ぐらいしてやっぱり男の子が生まれたの。

私ね、『いくら慣れた猫でも、赤ちゃんに何するかわからないから、十分気をつけないと危ないよ。』って、注意したのよ。

でもね、その猫は賢かったみたいで、赤ん坊が泣き出すとそばに行ったり、母親を呼びに行ったりしてね。子守してくれたんですよ。

その子が段々大きくなってくると、乱暴になるでしょ。尻尾をつかんだり、荒々しく抱き上げたりするじゃない。だけどね、その子が猫の体をどんなにいじくっても、全然怒らないの。不思議ねえ。

そしていつも男の子と一緒に寄り添って寝るの。二人並んで、寝てるの。

今年、小学校に入学するんだけどね、彼がママから叱られたりしていたら、彼とママの間に入って行って、ニャーンって、鳴いて『あまり怒るな』って言ってるみたいでね。

まあ、私、感心しちゃうわ。あんな猫もいるのねえ。」

・・・・・・・・・

以前も同じような話しを報告したと思いますが、まあ、人と驚くほど溶け込む生活ができる猫もいれば、子猫の時代から何年世話してあげても、抱かれるのが嫌いで、孤高な生活を好む猫もいますね。

どちらも猫の個性でしょうが、マダムの話しを聞きながら、私もほのぼのした情景に、引き込まれたことでした。
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試験

ドキドキドキ・・・・

今日はいよいよ動物看護士認定試験の日です。国家資格のない動物看護士ですが、業界団体の合意の下、少しづつ整備が進んでいます。

今年もその試験が始まったのです。

カメ子も、今日に備えて一応勉強をしてきました。

「そんなに難しい出題はないと思うんだけど、やっぱり準備はね・・・。」

強気のカメ子でしたが、内心は緊張していました。

一月にあった模擬テスト、パソコンを使って日曜日に病院で受験していました。気にしている証拠です。

「メチャ、寒かった。でも、受けといて良かった」

明るい顔で言っていましたが、いよいよ本番当日。
グルグルと鳴り、緊張でお腹が痛くなるほどです。

さて、試験の始まり。会場にはざわめきと静寂が訪れます。

各自パソコンの前に座り、開始時間と共に、一斉に画面に問題が表れます。

カタカタ、カタカタ、
マウスを操作しながら、回答していきます。百問答えるのは大変です。

(うっ、これは、何だろう? えー、聞いたことないや!)

おおかた順調に進みましたが、一部難問も配置されていました。

(うん、これで良しと。少し見直そうかな・・・
 あっ、これ、間違えてクリックしている。こんなの、押した はずが無いのに、危ない、危ない。

 見直して良かったな、・・・えーと、うーっと・・・)

こうして試験時間は過ぎました。

パッと画面から試験問題が消え、「終了」の知らせが出ます。

フーッとため息をつきながら、最後のクリックを押すと次の瞬間でした。

「○○点」

何と一瞬にして、自分の試験の点数が現われたのです。

(えーっ、うそ! 試験が終わって一秒で、採点されてしまうの!)

カメ子は仰天しました。

便利になったと言うか、恐ろしいと言うか、

(ほかのみんな、何点かしら?)

辺りをキョロキョロ見回しましたが、誰も引きつった顔、苦笑いの顔で、沈黙しています。

良いにしろ、今一歩であったにしろ、おおかた黙ったまま教室から出て行っているのは、直ちに採点されたショックからでしょうか?

こうして、カメ子の試験は終わりました。

え? 何点だったかって?

それはもちろん、優秀なカメ子のことですから、ご心配なく!
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説得力

「この前の日曜日ですね、ペットフードの講演会に出てみたんです。」

お茶の時間、マル子が話し始める。

「ある会社から、ウエイトコントロールのための革新的フードが出るといううたい文句で、新発売とのことでした。

なんでも今までのフードは繊維質が多くてカロリーを落としたり、そんなコンセプトだったけど、これからは違うらしいんです。

筋肉をつけるフードなんです。動物に筋肉をつけさせるとカロリーを燃やしやすくなるから、食べても痩せる体質ができていくらしいんです。

カロリーコントロールでなくて体質変換がこれからの流れだそうです。

それと、飼主さんのご主人が痩せてたら、奥さんがどうであれペットのダイエットは成功する可能性があるんですが、ご主人が痩せてない時は、難しくなるそうです。

家庭の人生哲学が関係するみたいです。

先生の話はおもしろくてわかりやすかったんですが、でも講義の合間に登場する先生の飼い猫がとても太ってたから、そういう意味ではあまり説得力ないなと思いました。ヘヘ・・・」
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落下の思い出

「うん、この前腰の高さからそっと落として着地させたけど、一応四足で立ったよ。ウッって言ったけど。」

タビタは昨年からいる若猫です。三毛猫で可愛い顔しています。目がやや悪くて、体も弱く大きくはなれそうにあれませんが、先輩の畏咲(イサク)や祉門(シモン)とは大の仲良しです。

今は猫舎の二階に居るので、そこからもし床に落ちても頭など打たずにきちんと立てるか?それを検討したのでした。

と、カメ子が話し出す。

「そうそう、私ですね、小学生の頃、鉄棒の一番高いところがあるでしょう。あそこによじ登って遊んでいた時、落ちたんです。

そしたら胸を打って、ウッとしばらく息が出来なくなりました。
でも、そんなことしゃべったら怒られるから、家に帰っても話しませんでした。」

「うちもね、小学生の頃、妹が二階建てベッドから落ちたことがあるのよ。」

マル子も話し出す。

「それでね、やっぱり妹も息が出来なくなってね、わたしあわててお祖母ちゃんちに呼びに行ったのよ。」

「お祖母ちゃんちって?」

「はい、100mくらい離れているんですけどね。まあ、御祖母ちゃんが来てくれた頃には、妹は治ってたんですけど。

でも後でお母さんから、『そんなことでお祖母ちゃんを呼びに行ったら、お祖母ちゃんが死んじゃうわよ、心臓が弱いんだから。』って、叱られました。

でも、結局、おばあちゃんは心臓は弱くなかったんです。96歳になっても生きていますから。」

ハハハ・・・、マル子の分析にも、一理ある。

まあ、みんな子供の頃一度はどっかから落ちて、痛い目にあったことがあるのでしょう。

子供の頃痛い目に遭う、それも大事な経験です。

私も小学校の頃、誰もいなくなった校庭で、一人で苦手な鉄棒の練習していて着地できず背中を打ち、息が止まったことがある。

どさっと落ちた瞬間、ウッと息が止まってしまう。
苦しいから早く息を吸いたいのだが、あの瞬間はどうしても息が出来ず死ぬ思いを味わう。

砂場に倒れたまま、夕方の空を見上げてうめき声も出ない。ようやく息が出来るようになって、一人よろよろと起き上がったけれど、あれは六年生の頃の思い出かしら・・・
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散歩につきあう

日曜日の夕方近く、外出をしました。病院を出て妻と地下鉄の駅まで向かっていると、住宅街の古い道筋、前方に黒いプードルを散歩させてゆっくり歩くお一人のマダムが見えました。

「あ、マダムKとリリちゃんだ!」

高齢で太り気味のリリちゃんが、家と家に挟まれた狭い道路を、側溝に沿うように実にそろりそろりと歩いています。

「歩けないと言われてたけど、だいぶ歩けるようになったみたいね。」

妻が嬉しそうに分析します。

昨年から飲み始めた甲状腺の薬が効いてから、段々動きが増えるようになったようです。

リリちゃんを散歩させているマダムも八十の半ばとお聞きしています。冬の優しい陽の光りを浴びながら、両者とも足もとを気をつけながらゆっくり歩いています。

と、その時です。彼女達の後ろから、ササササッ、サササッと、怪しげな動きをしながらつけている一匹の三毛猫が見えました。

道を渡るとブロック塀沿いにチョコチョコ、立ち止まり、前方の犬を見ては、またチョコチョコと、進みます。

どう見てもその猫は、たまたま通りを横切っているようには見えません。どうやら後をつけているようです。

(むむむ、年をとって弱った犬を襲う凶暴な猫が稀にいるらしいが、さてはリリちゃん、危うしか!)

変事が発生すれば、直ちに救援しようと私達は足を速めましたが、猫はいっこうに襲いかかる気配はありませんでした。
とうとう私達は、マダムに追いつきます。

「マダム、リリちゃんは、だいぶ歩けるようですね。良かったですね。」

「ああ、先生、はい、おかげで少しづつ、こうしてまた散歩が出来るようになりました。」

「ところで、変な猫がついてきてますけど・・・」

「はい、これもうちの猫です。昔から私がリリを連れて散歩をすると、一緒についてくるんですよ。」

「あらまあ、犬の散歩に猫が自分でついてくるんですか?」

放し飼いの猫ですから、思う存分外を歩き回っているでしょうに、何に惹かれるのでしょうか?わざわざリリちゃんの散歩に付き合うとは・・・

その三毛猫は、ジャリの敷かれた駐車場に寝転んで顎を掻いたり、少し歩いては畑のそばに座り込んでは耳を掻いたりしながら、速度調整をしてテンポの遅い散歩に付き合っているようです。

小春日和の午後、こうしてマダムとリリちゃんと三毛猫ののどかなお散歩を、拝見できたのでした。
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アウトドア

「どうやら散歩中にニワトリの骨を飲み込んだようにある。」

ビーグルのコウちゃんを連れてムッシュNがおいでになりました。

「あらら、いつのことですか? 」

「うん、昨日やけど、今日は元気がなくて、小屋から出てこんと。食欲もないし・・・」

診察台に上がったコウちゃんは、しかしいつもの元気さがありそうです。

「レントゲンを撮ってみましょう。」

大きな体で撮影台に寝るのを嫌がるコウちゃんを、なんとかなだめすかしながら、お腹を撮りました。

「ムッシュ、骨らしいものはありませんね。」

試しにコウちゃんにドッグフードをあげると、喜んで食べた。

「ありゃ、おかしいなあ? 食べたかい。家じゃ何も食べんかったけど・・・・。」

その日は経過観察で連れて帰りましたが、翌日、やっぱり元気が無いとおいでになりました。

それならと血液検査をしましたが、貧血も炎症反応もなく、肝臓も腎臓も、膵臓もすべて正常、何もひっかかりません。

「ムッシュ、二、三日病院でお預かりしましょう。観察させてください。」

こうしてコウちゃんは入院になりましたが、その日から元気で大きな声で吠え、フードもいくらでも食べます。
便も立派なものを出しました。

「ムッシュ、どうも元気すぎます。理由がわからないのですが、あの、もしかしたら、外で飼われているから、寒くて元気がないのかもしれませんよ。」

「はあ? いやあ、うちは車庫に犬小屋を置いて、中に毛布やらタオルやら敷いてやってますからね、暖かいはずですが。」

「そうですね、随分いいですよね。でも、もし御自分がそこで毎晩寝るとしたら、やはり冬は寒さが身にこたえると思いますが・・・。」

「そうやろか・・・」

結局病院に入院した三日間はずっと元気でした。ウオンウオン吠えて、犬舎がいっぺんに賑やかになりました。食欲も旺盛です。

こうして観察期間が過ぎ、はっきりした証拠がつかめないまま、再度自宅に帰り、暖かい所で様子を見てもらうようにしました。

コウちゃんももうすぐ9歳です。高齢犬の仲間入りです。いくら毛布を重ねても、雪のちらつく外で寝るのは、体力も消耗するのではないか・・・。

昔は犬が外で寝るのは当たり前でしたが、その分寿命も短かったはずです。

最近は、家の中で飼われる犬がほとんどになってきたので、寒さにやられると言う状況がめったになくなり、診断に苦慮します。

小屋に電気マットを敷いてもらったコウちゃんは、さて、今度こそ元気を取り戻すでしょうか?
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