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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

撃った人を憎んでいません。

「マララさん、すごいね、17歳でノーベル平和賞だって。」

お茶の時間です。ノーベル平和賞発表の翌日、みんなで感心していました。

「本当ですね。女性も教育を受ける権利をって、勇敢ですよね。」

「驚いたのは、殺されかけたのに『私は、私を撃った人を、憎んでいません。』と、言い切ることだよね。なかなか言えないよね。君たちなんか、特に、執念深いからね。」

と、その時、カメ子が言った。

「はい、私なんか、以前あるお店にお昼の弁当を注文した時、『海鮮丼、エビ二匹入ってる!』がふれ込みだったのに、届いたらエビ一本と細いチキン天ぷらだったので、がっかりしました。何か間違えたのかな?って。二年前のことですけど、今も許せません。」

「二年前の恨みが、くすぶってるんだね。」

うーむ、ノーベル平和賞には程遠い、私たちです。


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猫を投げたら

「先生、昨日ですね、私、夢を見たんですよ!」

外耳炎のダックスの治療をしていた時です。またマル子の夢の話しが、始まった。

「いつもうちの近くで、ウロウロしている痩せた野良猫がいるんですけどね、その猫がうちの庭に来て、いつものようにひなたぼっこしてたんですよ。

私は洗濯物を干しながら、猫を見ていたんですが、

 そしたら突然、見慣れない大きな、ふてぶてしい野良猫が来て、痩せた猫を追っかけまわしていじめるんです。ひどいでしょ。

それだけじゃないんですよ。痩せた子を庭から追い出した後、今度は窓からうちの家をじろじろ覗き込んだと思ったら、ひょいと部屋の中に入って来たんです。

『あっ! だめ! 入って来るんじゃない!』

私はあわてて追いかけて、追い払おうとしたんですが、フンって顔してまだズカズカ入って来るんです。

『こら、駄目だったら!』

私は恐い顔して追いかけると、その猫の頭とお尻を無理やり掴んで、ポーンと、窓から放り出したんです。

と、そこでガバッと私は目が覚めたんですが、

そして見たら、自分の枕が飛んで行ってました。」


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あなたが咬んだ指が痛い♫

「どれどれ、便秘をしてるか? 脱水の具合は?」

数日前から嘔吐して食欲がないとのことで、ほっそりしたキジ猫が連れて来られました。籠の中にうずくまっていたので抱え出して診察台に載せました。じっとしています。

(これなら、触診できるかな・・・?)

お腹を触ろうとした時です。突如頭を持ち上げ、逃げようと暴れ出します。

「うおっ、に、逃げるぞ! 足を!足を持ってくれ!」

慌てて応援を要請します。しかし、そばで革手袋をして待ち構えていたぺ子の両手をスローモーションのようにすり抜けると、電光石火床に飛び降り、キョロと一瞬あたりを見回したと思ったら、次の瞬間には右側に見つけた流しへ向かって駆け出します。

バリバリバリーッ・・・と、壁紙を裂きながらよじ登ります。

と、そのまま流しの窓辺を走り抜け、再び床へ跳躍。間髪入れずに目の前の棚に駆け上がろうとします。

棚の一段目、二段目にさしかかった時でした。

(今だ! ここで捕まえよう!)

そう思ってすばやく首根っこを摑まえるようにして、身柄を確保します。

「早く、早く、足を持ってくれ!」

ぺ子を振り返り助けてもらうと、二人がかりでようやくケージに戻しました。

「やれやれ、この子はじっとしないようだから、猫袋に入れないと、点滴は難しいだろうね。」

こうして病気の猫に、ストレスをかけたのを反省しながら、とりあえず皮下点滴を開始します。

と、その時、私の手の甲から出血があるのに気づきました。捕まえた時に、咬まれたようです。親指の下にしっかり牙の痕が二個、穴になって残りました。

(むむむ・・・、これは深そうだ。化膿するぞ!)

直ちに抗生物質を飲みましたが、数時間もすると傷の周りが腫れて赤くなってきました。

(むむむ・・・、あの子に強力な口内細菌がいたのかな、猫はパスツレラがいるらしいが・・・)

「大丈夫、大丈夫」

スタッフにはそう言いましたが、翌日はさらに腫れあがります。それでも、局所で治まっており、手のひら全体には及んでいません。

「今のうちに、病院に行って来よう」

猫に咬まれて病院に行くなど、獣医仲間に知れたら笑われてしまいますが、とにかく早く治さないと仕事に差し支えます。

昼休みを利用して、近所の外科へ。「今日は、どうされましたか?」

私は、綺麗な受付嬢に、同情を引くように痛々しく腫れた手を見せましたが、彼女は冷徹な目で確認しただけで、「おかけになって、お待ちください」と、言われます。きっと、外科の受付嬢は、仕事柄もっといろんな悲惨な傷を見慣れているのでしょう。

こうしてとりあえず、やるべきことを終えて仕事を続けていると、次の日の午後、歯医者さんがラブラドールを連れてやって来ました。腫瘍摘出の後の抜糸です。

「おや、先生、その手、どうしたの?」

「これでしょ、妻に咬まれてね。」

「ハハハ・・・、いや、本当にどうしたの、ひどいですね。」

「はい、猫に咬まれたんですよ。」

「やあ、そうか、大変ですね。実は僕たちもね、治療中に、よく子供に噛まれるんですよ。指先を噛まれるんですけどね、噛まれると虫歯菌が強力で、うちの若い先生なんか、肩までぱんぱんに腫れて、もう手が動かなくなって、ひどかったですよ・・・」

(ふーん、そうか、歯医者さんも、子供に噛まれて、腕が腫れるのか。それは知らなかった。)

どんな職業も、危険を抱えているわけですが、五十数年歯医者さんに通って来て、迂闊でした。まさか子供に噛まれて、歯医者さんも大けがに至ることがあることを、思いやることはできませんでした。

皆さんもそれぞれのお仕事で、危ない橋を渡っていることと思います。どうぞ、怪我などされないよう願います


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