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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

マル子襲われる!

「ウッ! あ、あれは!・・・・・」

それを見た瞬間です。マル子の背筋に戦慄が走りました。

 朝でした。根性悪の犬マカロニを連れて、マル子が散歩に出かけた時です。家からまだ数軒ほどしか歩いてないところで、道の向こうに茶色いものが、見えたのです。

「ウッ、あ、あれは・・・ニュースで騒いでる、例の猿じゃないかしら・・・」

そうです。最近福岡市で出没し、小学生高齢者にけがをさせていると、テレビで言ってました。

「う、同じ猿かしら・・・、きっと、そう、きっと同じ猿なんだわ・・・」

目をぱちくりさせてマル子が猿を見ていた時です。その猿が、するすると道路を渡って、マル子の方へ来るではありませんか!

(ええっ、やばい、どうしよう、左手にはマカロニのリード、右手にはウンチ袋、戦う方法がないわ。・・・そうだ、目を見ちゃいけないって言ってた。じっと見たらいけないんだわ。目をそらしておこう・・・。)

しかし、マル子の狼狽をよそに、大きな猿はどんどん近づいて来て、とうとうマカロニと30cmの距離まで詰めてきました。普段Ⅿ誰にでも咬みつくマカロニは、獰猛なことで知られています。気が短くて喧嘩っ早いのです。

(マカロニ、助けて・・・)

しかし、マカロニを見ると、何とかれも目をそらしているではありませんか! え? マカロニ、私を守ってくれないの?・・・あ、そうだ、これはマカロニの作戦だわ。だって、人に咬みつくときだって、いつも目をそらして知らん顔していて、いきなり咬みつくんだもの。きっと、猿をその罠にかけているんだわ。)

猿はしげしげと見つめ、しかしマカロニとマル子は目をそらしたままで、両者の息詰まる駆け引きが続きます。

(ううう、もうだめかもしれないわ・・・)

どうもマカロニはいつもの卑怯な不意打ちを、使いそうにありませんいつまでたっても、目をそらしています。そうでした。いつもマカロニは、強そうな相手には、知らん顔で通すのでした。

そばを登校中の小学生が二人、通って行きます。おしゃべりに夢中のようで、猿にも、引きつった顔のマル子にも気がつかないまま、行ってしまいました。

と、一瞬猿があたりを見回したと思ったら、ゆっくり離れて行くではありませんか。堂々としてしかも敏捷によその家の庭に消えて行きました。

(ふー、助かったわ。それにしても、こんなところまで、本当に猿が出て来るなんて・・・)

ちょうどそこへ、おまわりさんがきょろきょろしながら走ってきます。

「あ、おまわりさん、(今頃来て)、あっちです。あっちに行きました。」

もちろん、もう追跡は空しい無駄な努力でした。猿は影も形も見えなくなっています。

マカロニ、おまえさんは最大のチャンスを逃したな。もし、今日、あの時猿に咬みついて、格闘していたら、たとえ負けても、きっと記念碑を建ててもらえたのに。

「ここに、勇敢なマカロニ眠る。彼は飼い主の少女を守ろうとして、命がけで猿と戦い、一歩も引かないまま撃退し、そして息絶えたのである。」

そんな碑文とともに、忠犬マカロニの銅像が建てられたかもしれないんだけどなあ・・・・。おい。」

しかし、マカロニは私の言うことには目もくれない。

そもそも、そんな名誉は人間ばかりが喜ぶことで、犬は銅像立ててもらって喜ぶほど、馬鹿ではないのだ。


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