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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

ホノルル動物園にて(1)

病院猫の畏咲(いさく)から報告があったようですが、先週は研修のため診療をお休みさせていただき、当院へお出でいただいた方にはご不便をおかけしました。

例年ホノルル動物園で、押しかけ研修をさせていただき、もう11回目くらいになります。いつも寛容なスタッフたちが、私のような怪しい日本人を受け入れてくださり感謝です。

「オー、エイチロー、イラッシャイ!」

「やあどうも、久し振りです。」

「ゲンキデシタカ?デハ、サッソクダケド、イマカラ、ゾウガメノ目ヲ診ニ行キマショウ。」

私たちは園内用の小さなジープに乗り込んで移動します。

2月のホノルルは初めてでしたが、昼近くになると気持ちの良い程度の夏の暑さです。明るい太陽が、バンヤンの巨木がいたるところに繁る広い園内を照らしています。
しかし低い石垣で囲まれたゾウガメのゾーンは、踏みつけられるからでしょう、草は枯れ、乾いた土で覆われています。

ホノルル動物園にはアルダブラゾウガメと、ガラパゴスゾウガメの両方がいますが、目を悪くしていたのはアルダブラゾウガメのほうでした。

ゾーンの中央付近で二頭の成体が甲羅を押し合うようにして撒かれた野菜を食べています。そのうちの一頭の左目が病んでいます。角膜中央付近がやや盛り上がり、中心が出血を示す赤色で、周辺はやや炎症の白濁になっています。

角膜潰瘍を起こす一歩手前の様子です。

ザクリ、ザクリと、ゾウガメは野菜を咥えては噛み千切って飲み込みます。体重は250kgほどだとか。首の長さは40cmほどはあるでしょうか?

このゾウガメにしてやれることは、タイミングを見ていくつかの点眼薬を頭頂部から垂らしてやることのようです。顔を上に向けることも、横に向けることもとても出来そうにありません。

「よし、よし」

声をかけながらぺたぺたと彼の首を撫でる私を不審な人物と感じたのでしょう、ズリズリと私を追いかけるように移動してきて、しきりにズボンの臭いを嗅ごうとします。

(おや、ゾウガメは、個人を特定する能力があるんだ)

そう感じました。
ウミガメと一緒で口ばしの力が強いので、うっかり咬まれたら指を食いちぎられるかもしれませんから気をつけねばなりません。

「足ヲ踏マレタラ、アブナイデスヨ!」

あの重量で足を踏まれたら動けなくなりそうです。そのまま倒されたら確かに危険です。

角膜炎の原因は不明でしたが、三日後には少し改善していました。
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