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聖ノア通信 - 当病院の日々の出来事、ペットにまつわる色々な話をつづります -

弱いトンビ

「あなた、知ってる? カラスも二匹になったら、トンビより強いもんね。」

唐津城のふもと駐車場でのことです。スタッフ達と久し振りにドライブに出かけて、お城見物をした後でした。

唐津城はガタガタの階段、そう、天守をめざす途中は急な石段の連続ですが、わざと一つ一つの段差を変化させたりして、非常に登りにくくしているのは、駆け上る敵の出足を挫くためなのでしょうか?

とにかく上り難い石段を上まで行くと、樹齢百年か二百年の見事な藤棚があり今まさに満開、藤色の花房が天井に絨毯をしいたようにびっちりと垂れ下がっていました。

藤棚の下はジャスミンのような濃厚な香りが漂い、そこを通り抜けると眼下に青い唐津湾と緑の城下町を一望させてくれます。

唐津城に藤棚がありますよと、案内してくれたのはカメ子、さすが博物家です。
猫娘は大きな鼻の穴を広げ、くんくんと藤の香りを記憶に刻みます。
マル子は隣の桜の木を見上げ、毛虫でも落ちてこないかと観察中でしたが、なるほど、横のベンチには一匹のイモムシがのっそりのっそりしています。
私は女主人に小突かれながら、公園で開催していた抹茶の注文にうろうろさせられて・・・。

さて、そんなお城見物の後、再び駐車場に降りてきた時でした。

見知らぬマダムが二人、空を見上げながら話していたのです。

「あなた知ってる?カラスもニ匹になったら、トンビより強いもんね。」と。

そうなんですよね。鷲鷹のように大きな、見事な猛禽類の体格を有するトンビですが、私がこれまで見てきた限りでは、トンビの方が弱そうです。

漸く見つけ出した獲物を咥えて飛んでいると、するすると近づいて来たカラスが傍若無人にも一撃を加えて横取りを狙います。

最初は懸命にこらえて、ひらりひらりとかわすトンビですが、じき堪り兼ねてポイと獲物を落としてしまう事があるのです。

と、すかさずそれを空中でキャッチして、貰っていくのがカラスです。

「マダム、よくご存知ですね!そうなんですよ、トンビって、見た目より意気地がないというか、弱いというか・・・、

なんでバシッと、カラスくらい叩き落さないんでしょうかね!」

と、喉までその声が出かかった私ですが、見知らぬマダムに怪訝な顔をされてもいけないと思い、心でマダムの言葉に賛意を表しながら、黙って車に乗り込んだ次第です。

『それにしても、意気地がない、というか、弱いというか・・・何でバシッと・・・』

(ううむ、トンビをじれったく思ったが、これは他人事ではないぞ、良く考えると、自分のことかしら・・・)

ルームミラーで、同乗者一同を見回しながら、ひとしきり反省したことでした。
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